中央競馬専門紙
w e b 楡馬
本紙/西ノ海嘉治郎
前回発行の天皇賞の日のこと。この日は競馬だけではなく競輪、競艇、オートでも大きなレースが行われていた。スポーツ新聞でも、競馬同様紙面を割いてら関係者のコメントを載せているのだが、あまりにもわからなくて驚いた。まずは具体的に挙げてみよう。 競輪 「G戦で追い込み型のアピールできた。神山さんに」 この3つの競技、どれも見ていると非常に面白い。しかし、専門用語を理解するのはかなり難しい。「神山さんに」どうするのか、「三国のペラ」と他のペラがどうちがうのか、そして「ドドド」とは何か…疑問は尽きない。 もっとも、競馬だって人のことを言えた義理ではない。 「ハナを切りたいけどゲートに寄りかかる癖が。もまれると苦しい。偶数枠が良かった」 突っ込みどころ満載だろう。ハナは「切る」ものか、ゲートに寄りかかるとハナが切れない理屈がわからない、もまれると何がどう苦しいのか、何故奇数ではダメなのか。僕たちは当たり前に読んでいるが、競馬をやらない人から見ればもはや暗号だろう。 それでは、用語を少し知っているからといって当たるわけではないことを証明する予想を。 本命はレジネッタ。存在感は薄れたが、力が落ちたわけではない。距離の心配がないのが心強い。対抗はフェアブリーズ。93年のJCのプラティニ以来、「ドイツの馬は人気以上に走る」イメージがあって…理由はそれだけです。要注意はトレラビッド。フェアブリーズもそうだが、そもそも勝ち目が全くない馬をわざわざヨーロッパから連れて来ないだろう。何かしら狙ってくるんじゃないですか。騎手のブフはフランスの一流どころです。押さえは秋山のベッラレイアと、本田だったら楽に勝てたカワカミプリンセスまで。 おめでた婚
池添騎手、結婚おめでとうございます。てか、いわゆる「できちゃった結婚」というものらしい。できちゃった結婚というと聞こえが悪いので、最近では「授かり婚」とかいうらしい。まあ端的に言うと「中出し婚」でしょ。もしくはゴムなし婚。まあ、めでたいよね。 めでたいといえば、小浜市。オバマ次期アメリカ合衆国大統領にあれほど恥ずかしくもなく便乗できるのだから大変おめでたい。ばかじゃねえの、とみんなが思っているけどそれを言わないのが大人な対応なのか。今後オバマ氏がクリントン氏(モニカ・ルインスキー女史に葉巻を挿入した方)並に日本へ強硬な政策をとったとしても大歓迎なんでしょうか。ところで小浜市ってどこにあるの?たぶんアフリカ大陸にはないと思うけど。ネバダ州の東側でしたっけ? ところで、先週行われたジョッキーマスターズはすばらしかった。特に佐々木竹見先生はすごかった。あのような企画は定期的にやっていただきたい。乗る方はつらいでしょうが。今度は京都競馬場でもやってほしい。関東のファンだけで楽しむにはもったいない。 さて、今週の予想。デーブ大久保コーチが書類送検の責任をとって肉食を絶つ「I'amノーミート」宣言をしてナベQに脇腹を蹴られる、に1000点。二岡は3割20本で地味に活躍とみた。競馬の方は、三浦皇成とよくわからない外国馬を中心に据える。 (鎌倉重明)
11月16日・日曜 おまけ予想
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第33回
この金融危機で65億円を損失した人を称える競走 エリザベス女王杯
第33回 エリザベス女王杯 (GT) 11月16日 京都競馬場 芝2200m
JBCと実況アナ
何と今回も競馬の話。といっても、先週のジョッキーマスターズではなく、さらに前のJBCの話。 競馬場全体を埋め尽くす2万人超の観客。スタンド最前列の端から端までを敷物で占拠するカメラ野郎ども。ただの特別レースなのに地響きのような大歓声。他にも色々と、今までに見聞きしたことのない園田競馬場だった。 ただ、私が期待していたのはそういうことではない。本当に楽しみにしていたのは吉田勝彦アナウンサーの実況だ。 吉田アナを知らない人のために少し紹介すると、そこいらの実況アナと比べるのは吉田アナに失礼なのだが、少なくとも現在の杉本清とは雲泥の差。月とスッポン。いや、やはり比べること自体が間違っている。その凄さはビデオやネットではなく、現地で味わってもらわないと伝わらない。節回しやフレーズというのもそうなのだが、私が思うこのお方の凄さは別にある。 その凄さとは、あの狭い園田、姫路の競馬場が、吉田アナの実況で無限の広さに感じられること。少々大げさかも知れないが、私はそう思う。吉田アナの言葉に引き込まれ、もはや自分が吉田アナになったのか、騎手になったのか、馬になったのか。とにかくレースという舞台の上に自分も立っているかのような感覚。あの狭い競馬場のスタンドから見ている自分が実況中はいないのである。そんな感覚に陥らせてくれる実況アナは他にいない。 で、JBCに話を戻すと、残念ながらJBC2レースの実況は吉田アナではなかった。まぁこれは予想していたことではある。来年のバレンタインデーで干支6廻り目を終えるご高齢ゆえ、後継の竹之上アナに経験を積ませたいお考えと推察される。 だが、ホントのメインは最終レースにあった。いや、正確には最終レースの発走直前。最終を担当する際の吉田アナはいつも発走前、観客に来場のお礼を述べられる。だが、朝から最終までビッシリ観客が入った今回は特別だった。 「園田競馬は明日もあります。明後日もあります」 今日だけじゃなく、いつもこれくらい入って欲しい。そんな本音をハッキリ述べられたのである。すると観客から拍手が起こった。吉田アナでなければ拍手など起こらなかったであろう。 すると吉田アナ、「ありがとうございます」とその拍手に応えたのだ。これには観客も大ウケ。観客と実況アナがコミュニケーションをとった瞬間だ! もうこれだけでその日は園田競馬場に来た甲斐があった。 え? いつまでJBCっていうか、吉田アナの話をする気だと? じゃぁ予想を。これだけ園田の話をしたんだから、小牧太と岩田康誠でいいんじゃないでしょうか。 (青汁注射)
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