たまにはまともに競馬の話をしよう。でないと、これが“競馬新聞”を詐称していることを忘れられてしまいそうだ…。

　来週９日、第２回ジョッキー・マスターズが東京競馬場で行われる。出場騎手の顔ぶれは昨年４月の第１回にも負けない。地方から佐々木竹見を呼んだこと、勝負服を騎手服としたことは高く評価したい。海外の騎手を呼んだのもナイスな計らいだ。

　さらに、当日はオグリキャップが一般公開されるらしい。ちなみに「一般公開」と聞いて、仏閣の宝物のようにちょこんと鎮座したオグリキャップを想像したのは私だけだろうか。どうせなら走らせればいいのに…。

　そこで思った。

　海外の元騎手の１人はオサリバン。そんでもって南井がいて、オグリキャップがいる。あれ？　ホーリックスは？　あの世界レコードの再現を見せてくれるのではないのか！？　ホーリックスいないと始まらんだろ！

　う〜む…。期待させておいて、何とツメの甘いことか。

　それに忘れちゃいけないのがイブンベイ。あの馬がいたから世界レコードが出たのだ。もちろんヤネも欠かしてはならないが、クィンを呼んでも馴染みが薄いので、90年のほうに騎乗した河津裕明で！　ここまでやれば完璧なイベントなのになぁ。

　さて、久しぶりに競馬の話をしたら疲れたので、なおざりに予想してしまおう。

　本命はアサクサキングス。ＮＨＫマイルＣは別にして、東京競馬場は意外と合っている。藤岡佑介の最内を活かした騎乗が加われば、３強だろうと、そんなの関係ねぇ by 田母神俊雄。３強から１頭を選ぶならディープスカイかな、航空幕僚長だけに。

　その昔、シンボリルドルフというそれはそれは強い馬がいた。もっとも、ディープのように祭り上げられていたかというと、むしろ逆。前年のミスターシービーとの比較もあり、「強いけどつまらない馬」と評価されていた。中央を代表する（日本ではないことに注意されたい）馬がこのように手堅いせいか、中央競馬の売上げも落ち込んでいた。当時のファンは強いというだけで熱狂するほど間抜けではなかった。

　さて、23年前の秋の天皇賞、ルドルフは単枠指定で断然の１番人気。当時10歳の僕は父と府中競馬場に行き、馬券を買ってもらっていたが、もちろんルドルフの枠は無視。当てに行くくらいなら買わないほうがマシ。レースでは根本康広のギャロップダイナが奇襲を炸裂させてルドルフを２着に沈めた。その瞬間、競馬場はどんな雰囲気だったか。僕の記憶の限りでは、快哉を叫んでいた人が（僕ら親子を含め）相当いた。単勝馬券を外して怒っていた人はいたが、今と違って失望のあまり泣き出す馬鹿なんていなかった。しかもこの時、ギャロップダイナはオープン馬ではなかった。これに比べればハーツクライがディープを負かしたことなんて全く驚くに値しない話である。いつの間にか、このように面白い競馬をする騎手がいなくなってしまった。勝てないと思うなら、下手でもいいから野心のある騎手に替わってほしいものだけど。

　さて、予想。スプリントに集中しよう。本命はフジノウェーブ。あのコースで再内枠を引けたのは非常に大きい。実績も十分、連覇可能だ。対抗には地元のアルドラゴン。前に行ければあっさり勝ってしまう可能性もある。前走が「おいしいネ兵庫の牛乳もう一本特別」というのも魅力だ。要注意はこれまた園田のグレートステージ。順調な馬の一発もそうだが、川原が怖い。どこに行って何に乗っても無視できない騎手なんて日本ではこの人しかいない。押さえは次にいつ印を打てるかわからない高橋悠里のトーホウライデンと、何かが引っ掛かるスマートファルコンまで。