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新潟・直線1000mを洗い直してみた

 先週の「アイビスSD」の結果が上位3位まで牝馬が占め、負担重量がおかしいんじゃないか、と当ブログの記事に書いたが、じゃぁ牝馬は直線1000mで牡馬・セン馬より速いタイムを出しているのか、調べてみた。

 2001年に新潟に直線1000mが出来て以来、このコースでのレースは先週のアイビスSDまでに153レースが実施され、除外や競走中止を除くと延べ2323頭がレースタイムを叩き出していた。その平均値を計算してみた。

 牡馬と牝馬の平均タイムはこうだった。
牡・セ56秒77929頭
56秒831394頭

 その差はたったの0秒06。アタマ差かクビ差くらいのものである。つまり牡・牝の差は殆ど無いに等しく、牡牝の負担重量2kg差は実に妥当だったのである。

 では、牡牝関係なく、負担重量別ではどうなっているのか。カテゴリを「48〜50kg」「〜51kg」「〜52kg」「〜53kg」「〜54kg」「〜55kg」「〜56kg」「〜57kg」「57.5kg〜」の9つに分け、それぞれの平均タイムを出してみた。
斤量平均タイム順位延べ頭数
〜50kg57秒329位82頭
〜51kg57秒297位117頭
〜52kg56秒715位173頭
〜53kg57秒298位419頭
〜54kg57秒026位503頭
〜55kg56秒503位534頭
〜56kg56秒534位232頭
〜57kg56秒182位260頭
57.5kg〜55秒131位3頭

1位の「57.5kg〜」は標本数が3頭しかなく信頼できる数字ではないので無視するとして、2〜4位を55〜57kgが占めた。その次に良い5位の「〜52kg」とはタイム差約0秒2(=1馬身)ある。

 これではっきり言えることは、新潟・直線1000mは斤量が重いほうが信用できる、ということである。ちなみに、アイビスSDのサチノスイーティーのように51kgの斤量の馬が勝ったのは153頭の勝ち馬のうち4頭しかおらず、あまり信用はできない。

 ということで、前言は撤回です。ごめんなさい。
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単勝回収率・複勝回収率で見るジョッキー評

 かなり長い文章だが、かなり有益な情報を書いたのでじっくり読まれることをオススメする。

 「単勝回収率・複勝回収率」という言葉をご存じだろうか。「単勝回収率」は、ある騎手(または調教師・馬でも良い)の単勝を同じ金額(たとえば100円)で全てのレースで買い続けた場合の、
〔払戻金総額〕÷〔賭け金総額〕×100%
、で求められる。

 勿論100%を超えれば「ずっと賭け続けていても損をしない・儲かる騎手」ということになる。こういった騎手は素晴らしい騎手といえる。また、単勝・複勝の還元率は約80%なので、単勝・複勝回収率の平均値は80%である。つまり80%を割る騎手は「馬券的に買えない下手くそな騎手」ということになる。

 ちなみにこの数値は、勝ち数や勝率とは無関係ではないが、勝率などが高いからといって高くなるといった相関関係はない。

 これを踏まえた上で、以下の21人の騎手の、7月16日終了時点の今年の単勝・複勝回収率を見比べてみた。
武豊小牧太
藤田伸二佐藤哲三
岩田康誠川田将雅
安藤勝己秋山真一郎
福永祐一鮫島良太
柴田善臣川島信二
後藤浩輝吉田隼人
中舘英二松岡正海
横山典弘川原正一
北村宏司内田博幸
安部幸夫

左半分の背景色が青の騎手は7月16日終了時点での関西・関東それぞれのリーディング上位5人である。右半分は私が勝手に選び出した「何となく穴をあけているイメージのある騎手」である。

 まずこの21人の勝率はどうなっているかというと、上位10人だけ書き出すと、
騎手勝率勝利数
1武豊22.3%104勝
2横山典弘17.6%57勝
3安藤勝己17.4%61勝
4内田博幸17.0%50勝
5藤田伸二14.4%73勝
6柴田善臣13.8%60勝
7岩田康誠13.6%67勝
8後藤浩輝12.4%58勝
9秋山真一郎12.0%44勝
10中舘英二11.5%58勝

福永と北村宏の名前が消えたが、リーディング上位組がランクイン。一般によく活躍していると言われる騎手ばかりが並んだ感がある。では、複勝回収率はどうなのか?
複勝回収率
1川田将雅103.3%
2安部幸夫99.2%
3秋山真一郎90.7%
4藤田伸二88.7%
5岩田康誠85.9%
6後藤浩輝84.4%
7松岡正海83.4%
8安藤勝己82.5%
9柴田善臣81.2%
10内田博幸80.6%

やや状況が変わった。川田が1位である。そして2位に地方の安部。3位も秋山でリーディング上位組は形無しだ。ここで注目したいのは、100%を超えたのが川田ただ一人ということだ。川田の複勝を買い続けても1万円使ったところで300円しかプラスにならない計算だ。「複勝馬券は儲からない」と云われるが、それを裏付ける結果となった。

 さて、単勝回収率はどうなのか?
単勝回収率
1安部幸夫218.1%
2川原正一194.3%
3秋山真一郎158.1%
4松岡正海143.6%
5川田将雅141.7%
6内田博幸120.6%
7佐藤哲三117.1%
8岩田康誠112.4%
9安藤勝己96.2%
10後藤浩輝88.2%

なんと1位と2位を安部と川原の地方騎手が占めた。しかもかなり高い数値である。3位以下は秋山、松岡、川田の順である。この結果に私はさほど驚かなかったが、意外に思われる方が多いのではないか。結局8人が100%を超えたが、リーディング上位組では岩田ただ一人だ。

 さて、勝利数&勝率がブッチ切りのトップである武豊はどうなのか、というと、複勝回収率は73.9%で21人中14位単勝回収率は63.3%で21人中21位で最下位であった。また先日シャーガーCの世界選抜に選ばれた福永も複勝回収率69.2%(16位)単勝回収率71.1%(15位)という体たらくぶり。武や福永は厩舎関係者から見れば“上手い騎手”なのかも知れないが、馬券的には“下手くそな騎手”である。

 この結果からオススメしたい騎手は秋山である。単勝回収率の高さは上表の通りだが、月別に見たところ、7回の月のうち5回も100%を超えている。これは21人の中で彼だけである。それだけコンスタントに活躍しているということになる。また、その5回のうち2回が200%を超えているから驚きだ。

 また、1〜7月のトータルでは単勝回収率が70%にも満たなかったが、吉田隼人もオススメしておきたい。というのも、1〜3月の間の回収率はわずか5.5%しかなかったが、4月以降で限定すると106.4%にもなるのである(月別に見ても4・6・7月で100%超)。彼自身「4月の福島開催できっかけをつかんだ」と言っているが、その言葉はこの数字にも表れている。

 これだけのデータを見ても武や福永を捨て切れないという人はどうぞ武や福永を買い続けて欲しい。ハズれる人がいるから儲かる人がいるわけで、儲かる人のための糧になってもらいましょう。
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