【K馬券Q】(第2回) 人気と回収率の関係
立て続けに、第2回も書いちゃいましょう。
第2回のテーマは、第1回が好評だったので、ズバリ「人気と回収率の関係」です。
前回と何が違うのか、ですか? 前回は「配当率」だったのが、今回は「回収率」になっていますよ。
っていうか、ホントはこっちを第1回として書こうかと思っていたくらいで、前回のは第0回にでもしたほうがいいような内容です。あれって、そこいらの本に書いていそうな話ですから。対して、今回のはちょっと趣が違うと思います。
第2回のテーマは、第1回が好評だったので、ズバリ「人気と回収率の関係」です。
前回と何が違うのか、ですか? 前回は「配当率」だったのが、今回は「回収率」になっていますよ。
っていうか、ホントはこっちを第1回として書こうかと思っていたくらいで、前回のは第0回にでもしたほうがいいような内容です。あれって、そこいらの本に書いていそうな話ですから。対して、今回のはちょっと趣が違うと思います。
まず「回収率」という言葉の説明をしておきましょうか。ご存じの方にはどうでもいい話になります。
「回収率」には大きく2通りの意味があります。1つは、投じた金額に対する、払戻を受けた金額の割合です。例えば、あるレースで、合計
1000
円投じて、2000
円の払戻を受けたら、そのレースでの回収率は 200%
です。1年間を通じて、合計100
万円投じ、合計80
万円の払戻を受けたら、その1年間の回収率は 80%
です。もう1つの意味は、ある条件の下、同じ金額で、ある期間洩れなく投票し続け、その結果受けた払戻総額の、投資総額に対する割合です。例えば、1日間、武豊の全騎乗馬に単勝
100
円を投じるとします。仮に10回の騎乗があり、1着が 3
回 あって、それぞれの単勝払戻が180
円、200
円、220
円だったら、武豊のその日の単勝回収率は 60% (=(180+200+220)÷(100×10))
だった、という言い方をします。つまり、前者の意味では馬券を投じる側が主体となっている語で、後者は投じられる側が主体となる語なわけです。また、言うまでもなく、
100%
を超えて欲しい数値です。また、回収率の平均値は配当率そのものです。前者の意味では、あなたの日頃の回収率が
75%
を大きく下回るようなら「馬券ベタ」と称され、75%
前後なら「普通」と称されることでしょう。100%
を大きく超えるなら馬券で生きていけるかも知れません。で、今回は後者の意味での話です。なお、K馬券Qでは今後も「回収率」を大抵の場合において後者の意味で使うと思います。
さて本題。馬券には単勝や複勝や3連単など様々な投票法がありますが、それぞれ1番人気の回収率ってどんなもんでしょうか?
そこで、1988年から2007年までの20年間のJRA全レースの払戻結果から、各式別について年度毎に回収率を出してみました。
投票法別 1番人気の回収率 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | ワイド | 馬単 | 3連複 | 3連単 |
1988年 | 74.75% | 82.21% | 75.91% | |||||
1989年 | 75.68% | 81.93% | 78.59% | |||||
1990年 | 75.01% | 82.81% | 79.50% | |||||
1991年 | 76.90% | 83.46% | 78.38% | 90.51% | ||||
1992年 | 76.84% | 82.66% | 76.50% | 76.75% | ||||
1993年 | 76.51% | 82.30% | 79.16% | 78.51% | ||||
1994年 | 75.14% | 80.50% | 79.35% | 81.22% | ||||
1995年 | 75.34% | 81.83% | 75.95% | 76.94% | ||||
1996年 | 76.98% | 80.55% | 73.26% | 79.27% | ||||
1997年 | 75.08% | 82.22% | 76.53% | 80.02% | ||||
1998年 | 75.87% | 80.88% | 75.70% | 73.98% | ||||
1999年 | 76.06% | 83.17% | 76.19% | 77.46% | 82.44% | |||
2000年 | 79.75% | 80.85% | 77.15% | 77.26% | 75.78% | |||
2001年 | 75.89% | 81.46% | 75.52% | 73.66% | 75.33% | |||
2002年 | 76.24% | 80.78% | 75.68% | 76.35% | 70.12% | 75.21% | 81.96% | |
2003年 | 75.15% | 79.71% | 77.45% | 78.15% | 68.87% | 71.28% | 72.73% | |
2004年 | 74.04% | 82.24% | 78.24% | 76.18% | 70.60% | 71.29% | 79.58% | 65.19% |
2005年 | 77.84% | 82.37% | 71.71% | 73.01% | 70.28% | 69.25% | 65.97% | 57.98% |
2006年 | 76.24% | 82.51% | 75.58% | 70.57% | 68.97% | 68.52% | 68.65% | 33.26% |
2007年 | 74.76% | 82.79% | 76.63% | 76.97% | 70.78% | 74.99% | 67.24% | 47.87% |
平均 | 76.01% | 81.86% | 76.65% | 76.76% | 71.46% | 71.46% | 71.90% | 48.17% |
見渡してみると、さすがに配当率に近い数値が出てますね。単勝と複勝は他の投票法より高めの配当率が設定されていて、約
80%
ほどであることを踏まえると、配当率より高めに出ている投票法は複勝、枠連、馬連だけで、あとは配当率より低い回収率です。そして、3連単! 悪過ぎでしょ、3連単。あんまり悪いので、個別に調べました。3連単の1番人気の的中率は
1.6%
ほどで、これを第1回に記載した、支持率から凡その配当金を計算する式にあてはめてみると、4620
円 くらいの配当金が平均値として出て欲しいところです。…が、実際に1番人気が的中した配当金の平均は 3017
円 しかありませんでした。これって、割が合わないほど1番人気馬券が買われているか、確実性の高い1番人気しか的中できていないってことになりますね[*1]。まぁこの馬券が登場してから5年も経ってなくて、点数の多さの割には後半4レースでしか発売しないのですから、まだまだ上手い買い方・見極め方が見つかっていないということでしょうかね。あと上記表から、面白いことに気付きました。1991年に馬連、1999年にワイド、2002年に馬単と3連複、2004年に3連単がそれぞれ新馬券として登場したわけですが、いずれもその最初の年度は、以降の年度より高い回収率が出ています。最初の年は皆さん手探り状態で、とりあえず手広く買っとけ、ってことなんでしょうか? 1年目だけは特殊な購買心理が働くようです。んー、興味深い話ではありますが、この話って、次に新馬券が登場するまで役立てようがありませんね。次に出るとしたら重勝式?
さて、1番人気の回収率を知ったなら、じゃぁ最低人気の回収率はどうなんだ、というのも知りたいのが人情というもの。で、調べてみました。
投票法別 最低人気の回収率 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 単勝 | 複勝 | 枠連 | 馬連 | ワイド | 馬単 | 3連複 | 3連単 |
1988年 | 46.37% | 47.38% | 11.88% | |||||
1989年 | 46.25% | 46.91% | 10.34% | |||||
1990年 | 24.77% | 45.63% | 16.86% | |||||
1991年 | 39.29% | 47.89% | 5.48% | 0% | ||||
1992年 | 50.83% | 43.21% | 7.26% | 0% | ||||
1993年 | 53.23% | 49.47% | 46.92% | 28.44% | ||||
1994年 | 48.61% | 52.49% | 8.77% | 0% | ||||
1995年 | 46.41% | 49.83% | 36.03% | 52.41% | ||||
1996年 | 50.92% | 48.98% | 37.67% | 48.07% | ||||
1997年 | 40.33% | 48.22% | 48.34% | 0% | ||||
1998年 | 59.20% | 56.68% | 26.81% | 0% | ||||
1999年 | 47.33% | 46.33% | 38.19% | 49.03% | 138.08% | |||
2000年 | 44.25% | 42.95% | 29.14% | 0% | 23.59% | |||
2001年 | 49.47% | 33.32% | 43.45% | 0% | 27.89% | |||
2002年 | 34.72% | 53.93% | 26.70% | 31.55% | 24.58% | 0% | 0% | |
2003年 | 39.72% | 49.11% | 0% | 0% | 11.74% | 0% | 0% | |
2004年 | 25.27% | 34.10% | 11.21% | 0% | 25.13% | 158.44% | 0% | 0% |
2005年 | 33.23% | 40.98% | 0% | 127.22% | 7.76% | 0% | 0% | 0% |
2006年 | 42.14% | 38.80% | 0% | 48.41% | 8.00% | 0% | 0.15% | 0% |
2007年 | 27.38% | 37.45% | 39.04% | 0% | 52.65% | 0% | 0% | 0% |
平均 | 42.48% | 45.67% | 22.30% | 24.14% | 24.19% | 28.74% | 0.03% | 0% |
いやぁ、これはヒドイ。最低人気を買い続けてもあまりいいことは無いですね。馬連、ワイド、馬単で
100%
を超えた年が1つずつありますが、 0%
ってのもかなりありますね。ゼロは、その年度は払い戻しが1件も無かった、ということです。3連単に至っては一度も来たことないですよ。3連単は18頭立ての場合で
4896
通り になるわけですが、3連単発売レース数は本日時点でもまだ 4896
レースに到達していないので、1回も出てないことは確率的には仕方ないのかも知れません。3連複は1度だけ来てますが、これは4頭立て4番人気で配当金は
520
円 に終わっています。なお、今年2月に、白富士ステークスで14頭立て364番人気で 127,790
円 というのがありましたが、3連複も最低人気が来る確率は相当低いようです。以上そんなわけで、機械的に1番人気だけ買い続けても割と普通な回収率しか得られず、最低人気だけ買い続けるのはダメダメ。3連単はスマートな購入法がまだまだ成熟してないらしいことが判りました。
ちなみに、なんでこんなテーマを設定したかというと、前回の延長です。極端な本命党と、極端な穴党では、実際どれくらい差が出るのか見てみたかったのです。今回の結果を見ると、やっぱり穴党って茨の道なんですかねぇ。
まぁ、こんなデータを出してみても、1番人気や最低人気がどうとか気にすることなく、買いたいと思った馬券しか私は買わないですけど。
次回のテーマは何にも決めてません。気が向いたら第3回を書きます。
あと、8/23に『web楡馬』札幌記念号を発行予定ですので、ヒマだったらご覧ください (これを読んでる方はヒマな方だと思いますが…)。よろしくお願いします〜。
[補足*1]
1番人気が的中した場合に限らず普段から割が合わないほど馬券が買われているかどうかは、詳細な3連単の票数データがあれば判明するはずです。残念ながらそれが私の手元になくて…。
各レースでの全体と1番人気の票数が判れば、1番人気の平均支持率が判ります。それが、1番人気の的中率より高ければ、1番人気を信じ過ぎ・買われ過ぎということになります。
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