【K馬券Q】(第1回) 人気と配当率の関係
突然ですが、馬券を研究してみようと思い立ちました。
…と言っても、別に“馬券で儲けよう”などとは思っていませんよ。いいですか。私は、「馬券で金儲けする術」を研究するとは言っていませんからね。私が言っているのは、「馬券」を研究しようということですから。それに“研究”って言っても気付いたこととかを書くだけですし。
っていうか、競馬で金儲けしたければ、主催者の下で働くのが一番です。(馬場整備バイトでつくづく実感しました)
なので、ここでは“儲ける”といった気持ちで私は書きませんし、読んでみようという奇特な方も、そんな思いは捨ててお読みあれ。基本的にシャレですから。“馬券で儲けたい”などと思っている方は、他へどうぞ。
さて、前置きはこの辺にして…。
「K馬券Q」とおふざけも程々に銘打って、気の向くまま不定期に馬券を研究していく第1回の内容は、
…と言っても、別に“馬券で儲けよう”などとは思っていませんよ。いいですか。私は、「馬券で金儲けする術」を研究するとは言っていませんからね。私が言っているのは、「馬券」を研究しようということですから。それに“研究”って言っても気付いたこととかを書くだけですし。
っていうか、競馬で金儲けしたければ、主催者の下で働くのが一番です。(馬場整備バイトでつくづく実感しました)
なので、ここでは“儲ける”といった気持ちで私は書きませんし、読んでみようという奇特な方も、そんな思いは捨ててお読みあれ。基本的にシャレですから。“馬券で儲けたい”などと思っている方は、他へどうぞ。
さて、前置きはこの辺にして…。
「K馬券Q」とおふざけも程々に銘打って、気の向くまま不定期に馬券を研究していく第1回の内容は、
「人気と配当率の関係」です。(って、タイトルに書いてますがな…)
馬券を買う人のタイプには、人気馬券を中心に購入する「本命党」と、人気薄を中心に購入する「穴党」があり、どちらが良いのか、という話があります。実際はどうなんでしょうか?
実は、長い目で見ると、「本命党」のほうが損をしにくいです。(“儲かる”とは言ってませんよ〜) 感覚的とか経験的にはそんな感じもしますが、何故そうなんでしょ?
「配当率」とか「還元率」と言われる数値があります。これは、馬券を売る側(日本だとJRAなどの主催者)が払い戻す金額の、売得金に対する割合です。馬券の購入者側としては多く払い戻してもらった方が良いに決まっているので、配当率は高いほうが購入者側には嬉しい数値です。
この配当率、日本では75%と言われていますが、実際には75%に固定されているわけではないことはご存じでしょうか? 実は的中馬券の支持率で変動します。具体的には、レースが荒れる(的中馬券の支持率が低い)ほど配当率は低くなり、堅く収まる(支持率が高い)ほど配当率は高くなります。
そのことは数式を使って説明できます。的中馬券に対する払戻額は、以下の式で表されます。
W=(勝馬の投票額)、D=(負馬の投票額)、P=(勝馬の数)、R=(第1控除率)、r=(第2控除率)
、とすると、R、r
はそれぞれ、0.18、0.10
です。また、話を簡単化するために、単勝や馬連のように勝馬[*1]の数が 1
である投票法(3着払の複勝やワイドは 3)を例にすると、P
は 1
(同着はここでは無視)なので、(W+D/P)
は売得金そのものです。これを F
と置き換えて上記式を整理すると、となります。この払戻額を、売得金
F
で割ったものが、目指すべき「配当率」となります。この式において、
W/F
とは、売得金に占める勝馬の投票額の割合、つまり単勝馬券だと「単勝支持率」と呼ばれているヤツです。よって、上記式は、支持率が高いほど配当率が高くなることを示しています。例えば、支持率 1%
の馬券の配当率は 73.9%
になりますが、支持率 50%
の馬券の配当率は 78.8%
になり、約 5
ポイントの差が生じます。以上が、「長い目で見ると、本命党のほうが損をしにくい」という根拠です。ですが、もちろん小松政夫ばりに「長い目で見て」平均化した場合の話であって、瞬間最大風速がどうなるかは分かりませんものねぇ。
あと、おまけになりますが、上記の払戻額を勝馬の投票額
W
で割ったものは「配当金」になります。レース確定後に発表されるアレです。ここで
100
を掛けている理由は言わずもがなですが、さらに正確には、これで求まった数値から、10円未満の端数を切り捨てたものが実際の配当金です。[*2]この式において、
F/W
は、上述の支持率の逆数です。よってこの式は、支持率から配当金を求める式になっています。(複勝やワイド、また同着を考慮すべき場合はこれでは無理)これを基に、Microsoft Excel で簡単に支持率から配当金の計算をさせる式を書いてみましょう。
A1
セルに、=ROUNDDOWN((73.8/A2+0.1)*100,-1)
と記述しておきます。
A2
セルに、支持率を%値で与えてやれば、A1
セルに配当金が出ます。但し、プラス10は考慮していませんし、82
より大きい値を入れると、100円を割ってしまいますんで、ご注意を〜。また、逆に、オッズから凡その支持率を求める式も書いておきます。
B1
セルに、=73.8/(B2-0.1)
と記述しておきます。
B2
セルに、オッズを与えてやれば、B1
セルに支持率が%値で出ます。但し、もともとオッズは端数を切り捨てられた上での数値なので、正確な支持率にはなりませんよ〜。あくまで「凡そ」です。支持率は、世間が考えたその馬券の的中確率、と見做せます。馬券を購入する際に、その的中確率が自分の思うものと、世間が思うものと、どの程度の差があるのかをチェックするのに、この Excel が使えるかも知れません。まぁ、100%的中するという絶対的な自信を持って購入する人には不要ですねぇ。(私も使わないですね)
[補足*1]
ここで言う“勝馬”とは1着馬のことではなく、的中の組合せのこと。馬券の正式名称が「勝馬投票券」であることからも分かるかと思います。馬連とか3連単とかは、厳密には馬にではなく、組合せに投票していますよね。逆に、不的中の組合せを“負馬”と呼びます。
[補足*2]
実際、この式に適当な数値を代入して計算してみると分かりますが、大抵の場合で1円単位の端数が出ます。この切り捨てた分は主催者の取り分になります。配当金の数字だけ見ると、それくらいなら…とも思えるのですが、1票あたりでは小さくとも、全的中馬券で合計してみるとそれなりの額になります。JRAでは、端数切り捨て分だけで年間150億円以上になった年もあるそうです。
ちなみに、今年からJRAが始めた「プラス10」は、この端数切り捨てによる収得金が財源ではないでしょうか。トータル的に財源としては余るほど十分です。主催者の収益は売得金からの控除金が本来であって、端数切り捨て分は本来的な収益ではありません。本質的には馬券購入者に還元すべきものです。昨年まではそれをJRAが自分たちのものにしていたのを、今年になってファンに還元しようというだけのことです。それもほんの一部に過ぎないはずです。端数切り捨ては、毎レースの各式別で勝馬1票あたり0〜10円未満が発生しますが、平均して5円発生すると考えれば、2レースに1度の確率でプラス10を全式別に適用することがない限り、端数切り捨て分を全て還元し切れません。
そんなわけで、プラス10はJRAが出血サービスをしてるかのような印象を抱いているとしたら、それは間違いですよ。あれくらいはむしろ馬券購入者としては払い戻してもらって当然のものですから。そう考えると、プラス10の仕組みだと、穴党の人はガチガチ人気の馬券は買わないから、端数切り捨て分を払うばっかりで受け取れないですね。本命党に持っていかれちゃうわけです。あー、その意味でも本命党のほうが損しにくいですね。
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