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朝青龍問題に一言、…いや二言三言、それ以上

 さっき、朝青龍が久し振りに自宅を出た、という報道があったようで。ここ最近の報道では、協会から“帰国容認”の雰囲気が出てきたとかどうとか。

 医師の見立てでは帰国しての療養が望ましい、との判断だが、それはなかなか実現されてない。

 医者の診断があるのになぜ軟禁状態にして帰国させないのか、人権侵害ではないか、とか、この病気は横綱としての立場を忘れて巡業をサボってまでサッカーに興じて自身で招いたものだから帰国させては謹慎も反省も示したことにならないし横綱の品格問題になるから帰国させるべきではない、とか、いろいろ聞こえてくる。

 これらの様々な意見を聞いていてどうも一つ気になることがある。
 人権侵害と言っている人は、力士そして横綱である前に一人の人間として朝青龍を見た上での意見。それに対し、帰国させるなと言っている人は、ドルゴルスレン・ダグワドルジという私人ではなく横綱・朝青龍として見た上での意見だ。

 どうもワイドショーなどのコメンテーターの話を聞いているとこれを混同しているようにしか聞こえない。これを混同しては、正しくも聞こえるし、おかしくも聞こえる。

 では診察した医師はどうだったか。医師は横綱・朝青龍明徳を診察したのではなく、ドルゴルスレン・ダグワドルジという一人の人間を診察したに過ぎないのではないか。いち患者としては帰国療養すべき、という判断でしかないだろう。

 つまり、医師は「横綱として帰国療養させろ」とは言っていない。そう、この事態はドルゴルスレン・ダグワドルジという人間を横綱としてモンゴルに帰国させるかどうか、と議論するからややこしくなっているのだ。

 要は、力士・朝青龍明徳から横綱免許を返上させて帰国させればいい。それなら横綱の地位を軽んじた罪を償って反省の意を示したことになり、協会内や国内の帰国反対論者はいなくなり、晴れて帰国できる。それが嫌なら引退にすればいい。前田山はそうした。部屋の先輩に倣ってそうしたほうがきっぱりしていいと思われる。引退して一人のただの人間として帰国すればいい。

 そもそも、協会はサッカーの報道があったときに、毅然とした態度で引退に追い込んでおけば、事はこんな大きな問題に発展しなかったのだ。あれは前田山級かそれ以上の問題だ。実績のある力士だからと情けをかけたのはまったく賢明ではなかった。

 だいたい、“横綱”とは「心技体」が揃って強い、力士の中でも最高の力士、相撲の神様、力士の鑑とされる力士に許された称号のはず。

 朝青龍は「技」「体」は素晴らしく強いが、「心」は褒められたものではない。それはそれまでの数々の言動が物語っている。そして今回の精神的な病だ。これが相撲の神様の姿であろうか。力士の鑑には程遠い。これほど「心」の弱い力士は横綱であってはなるまい。協会としては「横綱たる力士ではなかった」として横綱免許剥奪か返上、あるいは引退を選ばせ、その上で帰国療養させればいい。その際には勿論、協会も「こんな心の弱い力士を横綱にした判断は誤りでした」といった謝罪を忘れずにすること。これで全てが清算される。


 まぁ、どうしても横綱に留め、そして出国はさせないがモンゴルには帰すというなら、テレビでデーブ・スペクターが言っていた方法しかない。日本国内のモンゴル大使館で療養させればいい。日本にいながらにしてそこはモンゴルだ!
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